前回は草木でマスキング使ったときの遠近描写について書きましたが、今回はもっと身近な例を出してみたいと思います。
髪の毛です。後ろのオブジェクトがアルファ設定されているので、アルファブレンディングが重なってしまい、髪の毛がおかしくなってます(矢印のところ)。アルファブレンディングが重なると、どちらかのオブジェクトが100%透過になってしまうSLのバグです。ふわふわなロングヘアでとてもよくある例(大抵のクリエイターがアルファブレンディングを使うため)なので、経験ある方も多いと思います。
これがアルファマスキングだとどうなるか?と言いますと、
マスクでカットオフされているので、後ろのオブジェクトが透過せず、自然な描画になるんですね。ちょっとボリュームダウンしてる感じは否めませんけど。
アップでよくよく見るとジャギーが目立ったり線が途切れたりしてますが、ブレンディングで処理するよりはマシでしょう。
これはマスキングのデメリット(ジャギーの出方)を極端に表現するためにカットオフを200とか高く設定していますが、通常は30~70あたりが一番自然に見えると思います。テクスは、普通は水平方向に1枚貼りになってますが、4回繰り返しにしています。マスキングで削がれたボリューム感が補えます。これも4回は極端で、普通は2~3あたりで一番自然な感じになるはずです。
透明度が指定された服なども、アルファブレンディングの髪の毛はオブジェクト形状に透過してしまって肌が丸見えなんて事がありますけど、アルファマスキングに変える事で透過しなくなり、自然な感じに見えるようになります。
知る限り、髪(ヅラ)の大半はアルファブレンディングで作られています。アルファブレンディングは、単体描画のクオリティは高くなりますので多用されますけど、周辺環境との相互作用を考えると、極力使わない方が良いものです。
なので私は編集可な髪ばかり使ってます。